味噌汁といえば、何の具材を思い浮かべるでしょうか?
白菜、にんじん、ねぎ、なすなどの野菜。豆腐、油揚げといった大豆製品。しめじやしいたけのキノコ類。わかめ。こんなところがスタンダードでしょうか。
ぼく自身これまでそんなスタンダードに縛られず、そのときあるものを入れていくという風にしていました。キャベツ、ピーマン、ズッキーニ、舞茸、ブロッコリーなど…
しかし、実はそれでもまだスタンダードに縛られていた。それを自覚する本に出会いました。それが、土井善晴先生の『一汁一菜でよいという提案』。
著書の中では、世間の常識に囚われずに様々な食材を味噌汁の具材にしています。
ベーコンやハム、キュウリ、オクラ、みょうが、うど、じゅんさい、焼きナス…別の本か動画では唐揚げが味噌汁の具材になるというお話もありました。
その中に、これまで一切持ったことのない具材の発想が。それが魚の味噌汁です。
魚と味噌の組み合わせならまだ分かります。鍋料理や味噌煮。あるいはお吸い物としての潮汁。そういった、味噌汁とは異なるカテゴリの料理という考えが強く、それだけに味噌汁の具材に魚を使うという発想は一切ありませんでした。
『味噌汁に魚は入れない』と強く思っていたわけでも、避けていたわけでもない。ただ、発想として全く思いつかなかった。これも一種の思い込みでしょうか?
というわけで早速作ってみました。
冷凍庫にカツオの刺身があったので、それをそのまま味噌汁に入れました。
これが普通に美味しい。カツオの出汁が汁に溶け込み、美味さを出しています。少し心配だったカツオの生臭さは、案外それほどでもありません。味噌が臭み消しに力を発揮してくれたんだと思います。生臭さが強めなカツオでこれなら、他の魚も全然問題なさそうです。
そして何よりいいのが、楽なこと。
魚というと、なんとなく焼きや煮込み、あるいは刺身のどれかしかないと思い込んでいた。だから、どうにも魚は調理が面倒臭いという気がして、あまり食卓には上げてきませんでした。
焼き魚は焼いている最中にニオイが漂うし、後片付けも油が飛んで大変。煮込みは時間がかかるし、煮汁も調味料が多いし面倒。調理済みの缶詰もいいんですが、やっぱり生魚と比べると割高です。
しかし、味噌汁の具材ならそんな面倒とは一切おさらば。なにせ味噌汁にそのままドボンでOK。お手軽すぎて、これまで魚を食べるのに苦労し、魚を避けていた自分はなんだったのかと唖然としました。
これまで、タイムセールで残っている焼き魚用の切り身も、調理が面倒だからと避けていました。が、今後はバンバン買って、冷凍庫に保存して味噌汁に入れられます。
タンパク質として、やっぱり大豆製品だけでは飽きが来てしまう。魚をレパートリーに加えることができて、今後の食生活がより楽になりそうです。
『味噌汁の具材に魚は無い』
そんなことを思うことすらないほどに、そもそも発想が無い。一切考えたことが無かったことに気付いたのが、『一汁一菜でよいという提案』を読んで一番の学びでした。
色んな考えがあっていい。そう口では言いつつも、やはりどこかで否定し、考えないようにしていることがあるんじゃないか。そう思いました。
それではまた。
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